セキュリティ通信

警備員の勤務時間や休日について

はじめに

警備員の仕事は通常の仕事のような「実働8時間」といった現場だけではなく、24時間警備が必要とされる現場もあり、担当する業務によって勤務時間が異なってきます。

 

勤務時間や休日がわかると警備員の仕事がイメージしやすくなると思いますので、今回は警備員の勤務スタイルや休日などの働き方ついてご紹介します。

業務によって異なる勤務スタイル

一言で警備の仕事といっても、道路工事の現場での警備と商業施設などでの警備では業務内容も勤務時間も大きく異なります。まずは主な警備業務を簡単に説明します。

 

・施設警備(1号警備)

主に商業施設や病院やオフィスビルといった施設で警備を行います。年中無休の施設の場合は警備員も常に必要とされます。
日勤と夜勤の2交代制で警備をする会社もあれば、一人の警備員が24時間勤務する会社もあります。

24時間勤務というと24時間連続で働くと思われるかもしれませんが、実際はトータルで8時間ほどの休憩時間があり、実働時間は16時間という場合が一般的です。
深夜の休憩時間は仮眠時間として4~5時間ほど取れます。
翌日を明け、翌々日を休日として扱い、24時間勤務して2日休み、再び24時間勤務して2日休む、という風に勤務日を回します。

 

・交通誘導警備、雑踏警備(2号警備)

道路工事や建設現場、商業施設の駐車場で交通誘導するのが交通誘導警備、お祭りやイベント会場などで警備をするのが雑踏警備で、2号警備という区分にあたります。
勤務時間は現場によって様々で、イベント会場の警備であればイベント開催時間が勤務時間にあたるので4~5時間の場合もありますし、深夜の道路工事の現場での警備なら深夜勤務ということになります。

また、道路工事の現場や建設現場での警備の場合は、毎日決まった現場に出勤するとは限りません。
警備員は「そこにいること」が重要な任務であるため、全体的な勤務時間は長めです。

警備員の残業について

警備の種類や現場によっては残業が発生することもあります。
通常は「1日8時間、週40時間」以上の労働は残業になり残業代として基本時給から25%割増しされた賃金が発生しますが、「監視または断続的労働に従事する者」に該当する一部の警備の場合は割増賃金が発生しません。

 

「監視または断続的労働に従事する者」に該当する業務としては、ほぼ肉体的・精神的な疲労がなく監視や待機時間が大半を占める業務がこれに当てはまります。
ただし、これに該当するには会社が労働基準監督署に「監視または断続的労働に従事する者」の届出をしている場合ですので、もし届出がされていない場合は普通に残業代が発生します。

 

警備員は現場において24時間稼働が必要なケースもあるので、警備員の労働時間は「1日8時間、週40時間」以内に収めることが困難な場合が多々あります。
そこで多くの警備会社では「変形労働時間制」を採用しています。

変形労働時間制とは、1カ月や1週間といった期間別の労働時間の上限を超えた場合にのみ残業代を支給するというものです。

1週間単位の場合は上限の労働時間は40時間、1カ月単位の場合は月の日数によって1カ月ごとの労働時間が決められており、28日間では160時間、31日間では177.1時間と規定され、それ以上になると残業代が支給されます。
1年単位での変形労働時間制も存在しますが、年俸制を採用している会社に限られるため警備会社で採用している会社はほとんどありません。

警備員の休日は?

警備員の休日は配属先の現場や勤務時間帯、働き方によってそれぞれで、決まった休みがないのが特徴です。

例えば交通誘導警備の現場として多い工事現場の場合、土日も工事があることもあるため通常のサラリーマンのような土日休みの仕事にはならないことがあります。
その他の現場でも警備員は交代制で休みを取るか仕事がない日が休みの日となり、決まった休日というものはありません。

 

また、警備員の仕事にも繁忙期と閑散期があり、道路工事の現場の警備であれば年末年始や年度末は工事が多く、警備の仕事も集中して入ります。
イベント警備であれば花火やお祭りなどのイベントが多い夏場は警備員の需要が増える時期です。

働き方にもよるのですが、時給制の場合は働いた分だけお金が入るため休みが多いとその分収入も減ってしまいます。
そのため時給制で働く警備員の場合は週休1日くらいを目安に働いています。週休1日だと年間休日は50日~60日程度になるでしょう。

正社員の場合は週休2日で働く警備員もいます。この場合の年間休日は120日程度になります。

まとめ

警備員の仕事は決まった休日がなく、勤務時間が長いことが多いです。しかし勤務時間が長いわりに体力を使わないことや、繁忙期に集中してシフトを入れて稼ぐこともできるため、メリットもある仕事だと言えます。

休日にはゆっくり体を休めて、翌日からは元気に警備の仕事に集中する、そんな勤務スタイルが私たちの社会の安全を支えているのです。