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AI警備の時代はすぐそこ!メリット・デメリット&今後警備員に求められる能力

AIをイメージさせるロボット

AIの進化により人々の暮らしは便利になっていますが、その一方で「AIに仕事を奪われてしまうかもしれない」などと不安に感じる方も少なくありません。

例に漏れず、警備業界にも「AIへの代替により仕事がなくなるのではないか」「警備業務のあり方が大きく変わるのではないか」と考えている方が一定数いらっしゃることでしょう。

そこで今回は、警備業務がAIへと代替される可能性はあるのか、AI導入によるメリット・デメリット、AIと共存する上で求められる警備員の能力などについてご紹介します。
警備業界への就職・転職を検討している方、また現在警備員として働いている方も、ぜひ参考にしてみてください。

 

AI警備とは?AIへの代替は本当に起こるのか

4つの監視カメラ

結論からお話しすると、警備業務がAIへと代替される可能性は“高い”といえるでしょう。
そもそも、一部の警備業務ではすでにAIの導入が進んでおり、業務の効率化につながっています。

 

AI警備とは

AI警備とは、AIを活用した警備業務・警備システムのことです。警備業界は深刻な人手不足に陥っており、それを解消するためにAIの導入が始まりました。

人とは異なり、AIは24時間365日フルで稼働することが可能です。AIを搭載したカメラやロボットなどを活用すれば、人の目が行き届かない場所も監視でき、事件や事故の危険を瞬時に把握できます。

 

AI警備への代替は始まっている

先でも述べたように、AI警備への代替はすでに始まっています
AI警備の一例は、下記のとおりです。

 

AIを搭載した監視カメラ

広く知られているのが、AIを搭載した監視カメラです
従来の監視カメラ(防犯カメラ)は映像を録画するだけですが、AIを搭載した監視カメラは特定の人や車両を認識したり、記録した映像から情報解析を行ったりできます。

また従来の監視カメラとは異なり、映像の確認やダウンロードを自動で行える他、人感センサーがなくても人の存在を感知できるため、コストを削減しつつ精度の高い監視業務を行うことが可能です。

 

ドローンによるAI警備

一部では、ドローンによるAI警備も導入されています
ドローンを使えば、人が立ち入れない場所も監視することが可能です。また、監視対象である人や車両などを追尾することもできるため、幅広い範囲を監視できます。

 

AI警備ロボット

人手不足を補うための一助として、AI警備ロボットも注目されています

AI警備ロボットとは、自律走行ができる業務ロボットにAIカメラを内蔵したものです。人や障害物を避けて走行できる他、でこぼこした道も走行できるため、施設の監視・点検・巡回など、さまざまな警備業務を効率よく進められます。

また、異常な行動をとる人物を発見したり、不審物を検出したりした際には映像を共有できるため、危険な事件や事故を防ぎやすいのも特徴です。

 

バーチャル警備員

最近では、バーチャル警備員(モニターに表示された警備員のキャラクター)も登場しています
人の出入りを確認できる他、接近する人への声かけや会話も可能なため、バーチャル警備員による受付対応も徐々に広まっていくことでしょう。

なお、緊急時に関しては、通報システムにより人の警備員を呼ぶことも可能です。

 

それでも人にしかできない警備業務は多い

今後、AI警備の広がりは加速していくことが予想されますが、全ての警備業務がAIへ代替されるわけではありません

何かしらのトラブルが発生したとき、AIが対処できるのはあくまでも学習したトラブルの範囲内でしょう。
しかし、警備の現場において不測の事態が発生することは少なからずあるでしょうし、場合によっては他者とのコミュニケーションを求められることもあります。そういった場では、人の警備員でなくては対処が難しいといえます。つまり、警備業界では「人」と「AI」のどちらも必要不可欠というわけです。

 

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AI警備のメリット

こちらでは、AI警備のメリットについて解説します。

 

人材不足を解消できる

警備業界が長年直面してきた人手不足という課題は、AI警備により大きく改善される見込みがあります。AIが単純な監視や巡回業務を担うことで、警備員はこれらの反復的な作業から解放され、より複雑で人間にしかできない業務に集中できるようになります
これは、限られた人的資源を最大限に活用し、警備サービスの質を高める上で極めて重要といえるでしょう。

また、AI警備は業務効率の向上にも貢献します。例えば、AIを活用すれば膨大なデータから異常を検知したり、分析を行ったり、報告書を自動で作成したりすることが可能です。
警備員の事務負担を大幅に軽減できるため、警備員は本来の業務により多くの時間を割くことができるようになり、結果として全体の業務フローがスムーズになります。

 

24時間365日の警備が可能

警備員が抱える疲労や集中力低下の問題は、AIにはありません。AIは長時間の監視でもパフォーマンスが落ちることなく、常に安定した精度を維持できます
人であれば8時間ごとに交代する必要がありますが、AIは年中無休、同じレベルの警戒態勢を継続できるのです。

 

監視範囲を拡大できる

AI警備では、人間の視認能力が及ばない領域までカバーできます。広範囲を高い精度で監視できるため、これまでの目視では見逃されがちだった細かな動きや異常も捉えられるようになるでしょう。

 

遠隔地で監視することも可能

従来の監視カメラでは人間の目視に頼るため、遠隔地からの監視や24時間体制での継続的な警戒には、どうしても限界がありました。
しかし、AI警備なら遠隔地からも監視ができるため、不審者が施設に侵入したり、異常な行動をとったりするのを即座に検知し、関係者へ迅速にアラートを送ることが可能です。

 

長期的なコスト削減が実現できる

AI警備の導入は、長期的なコスト削減にも大きく貢献します。これまで警備員が担っていた監視や受付業務などをAIが代替することで、年間を通して人件費の継続的な抑制が見込まれます

ただし、AI警備の導入には初期投資が避けられません。また、AIが業務を担うことで生じる人員配置の調整も必要となります。これらの点を事前に検討し、計画的に導入を進めることが重要です。

 

AI警備のデメリット

メリットの多いAI警備ですが、デメリットがあることも把握しておく必要があります。

 

不測の事態に対応できない

AIは大量のデータから学習することでパターンを見つけ出し、警備業務の効率化に貢献しています。しかし、AIはプログラムされた範囲でしか動けないため、予期せぬ状況や複雑な事態への柔軟な対応は得意ではありません

例えば、予期せぬトラブルが起きた際、AIは事前に学習したパターンを当てはめて対応しようとします。状況が刻々と変化する中で、常に最適な判断をくだすのは難しいといえるでしょう。

こうした緊急時には、経験に基づいた判断力と臨機応変な対応ができる人間の警備員が欠かせない存在となります

 

システム障害が起きたりサイバー攻撃を受けたりする恐れがある

AI警備を導入する際は、システムの脆弱性に注意する必要があります。システム障害やサイバー攻撃などに対してシステムが脆弱だと、監視映像の流出といった重大なセキュリティリスクにつながる可能性があります

こうしたリスクを低減させるためには、定期的なセキュリティアップデートが必要不可欠です。また、人間の警備員による二重チェック体制を設けることで、AIの弱点を補完できるでしょう。

加えて、システム障害が発生した場合に備え、システムを運営する会社と速やかに連携できる環境を構築しておくことも重要といえます。

 

個人のプライバシーを侵害する恐れがある

AI警備において、とくに顔認証技術を用いる場合、常時監視では常に顔を撮影するため、個人のプライバシーを侵害するリスクが懸念されます。そのため、個人情報の取り扱いには最大限の注意が必要です。

AI警備の導入にあたっては、収集するデータの利用目的を明確にし、必要最小限の情報のみを収集・保持するという厳格なルールの策定が不可欠です。
また、個人情報保護法を遵守し、システムの定期的な監査やリスク管理を徹底することで、安心して運用できる環境を構築することが求められます。

 

AIと共存するには?AI警備において警備員に求められる能力

反射した警備員の姿

これからの警備業界には、「人」と「AI」どちらも欠かせません。AIと共存するために警備員に求められる能力は、下記のとおりです。

 

高度な警備スキル

AIと連携して業務を行う警備員には、これまで以上に精度の高い警備スキルが求められます。とくに重要なのは、AIが検出した異常を正しく見極め、それに最適な対応策を実行する能力です。

例えば、AIが「不審な人物を発見した」とアラートを出した際、警備員はその情報にただ反応するのではなく、監視映像などを分析し、正確に状況を把握することが求められます。
AIが提供する情報を基に、人間ならではの判断と適切な行動を組み合わせることで、より精度の高い警備業務を構築することが可能になるのです。

 

データ分析能力

警備員はAIが検知した異常事態の分析や、過去のデータに基づくリスク予測といった情報を把握・理解した上で適切な意思決定を行う必要があります。つまり、データ分析能力を習得することで、より安全なセキュリティ対策を構築することが可能になるのです。

AIから提供されるデータを分析することで、効率的な警備体制を築くことができます

 

情報伝達スキル

AIとの円滑な連携を実現し、質の高い警備を提供するには、的確な情報伝達スキルが必要不可欠です。

これまでも警備業務では、現場の状況を言葉で分かりやすく説明したり、正確かつ簡潔な表現で報告書を作成したりといったスキルが求められていました。

しかし、今後はAIが収集したデータから導き出した分析結果を他者が理解しやすい形で伝える、という新たな情報伝達スキルが求められます。「なるべく専門用語を使用しない」「誰もが内容を把握できる言葉で説明する」などの工夫が必要になるでしょう。

 

適切な判断能力や対応スキル

人間は、直感や長年の経験に基づく判断能力、他者への共感能力、そして倫理的な考察など、AIが持ち合わせていない独自の強みを持っています

例えば、不審な人物の行動パターンを分析し、どんな意図があるのかを推測することは、長年の警備経験がある人だからこそできることでしょう。また緊急時、冷静かつ適切に指示を下さなければならない場面においても、人間の判断力が重要になります。

AIはあくまで補助的な道具なので、人の持つ柔軟な思考力、判断力、臨機応変な対応力に置き換えることはできません。逆に、人はAIのように24時間365日、精度の高い警備業務を行えるわけではありません。お互いに苦手な部分を補うことができれば、より効果的な警備が実現できるでしょう。

 

AI技術を理解できる知識力

AI警備の導入により、警備員は「AIシステムの運用」や「トラブルシューティング」といった、より専門的なスキルが求められるようになりました。
とくに重要なのが、AI技術そのものを理解できる知識力です。
AIがどのように作動し、どのような基準で判断を下しているのかを把握できれば、AIの情報を正しく読み解き、適切な対応を取ることが可能になります

 

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まとめ

AI警備の登場は、人手不足にあえぐ警備業界に新しい風を吹き込むことでしょう。
ただし、人からAIへ代替される警備業務がある一方で、人にしかできない警備業務もあります。得意な面を活かし、苦手な部分をAIに補ってもらいながら共存していくことが大切です。

 

警備のMTは、愛知県名古屋市を拠点に施設警備や交通誘導・雑踏警備などを行う警備会社です。愛知県や岐阜県、北海道に営業所があり、各拠点でさまざまな警備業務を請け負っています。
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