警備員に必須の法定研修とは?研修内容や受講前に知っておくべきポイントを解説

警備員が業務に就くためには、「法定研修」と呼ばれる特定の研修を受けることが法律で義務づけられています。法定研修は、警備員としての責任と役割を果たすために不可欠な知識とスキルを身につけるためのものです。
今回は、法定研修の内容や受講することで得られるメリット、研修を受ける前に知っておきたい7つのポイントをご紹介します。警備会社への就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
警備会社が実施する「法定研修」とは?
「法定研修」とは、これから警備員になる人が受ける研修です。法定研修は通称で、正式には「警備員教育」といいます。
法定研修は、警備業法によって明確に内容や時間が定められており、雇用形態に関わらず、警備員として従事する人は受講する義務があります。
法定研修には、大きく分けて「新任教育」と「現任教育」の2種類があります。
新任教育(基本教育)とは
新任教育には「基本教育」と「業務別教育」があり、基本教育は警備員として働き始める前に誰もが受ける最初の研修です。警備業務を行う上で必要となる基本的な知識と心構えを身につけることを目的として実施されます。
基本教育の内容を平たく言うと、下記のとおりです。
警備業法や法令に関する知識 | 警備員の業務範囲や守るべき法律・ルールを学びます。 |
警備員の役割と心構え | 基本動作、規律、服務、必要な知識・護身用具の使用方法といった技能の習得など、プロフェッショナルとしての自覚を養います。 |
護身術や救護措置 | 自分の身を守るための技術や、負傷者が発生した際の応急手当などを学びます。 |
新任教育は、基本教育と次で解説する業務別教育を合わせて、20時間以上行うことが警備業法で定められています(※警備業務の経験や資格がない一般警備員の場合)。
なお、業務経験や資格の有無により、研修の時間には変動があります。
新任教育(業務別教育)とは
基本教育が終わると、実際に担当する警備業務に特化した「業務別教育」が行われます。業務別教育の内容は、従事する警備業務の種類によって異なります。
業務別教育の一例は、下記のとおりです。
施設警備 | 施設内の巡回方法、出入管理、防災・防犯設備の操作方法などを学びます。 |
交通誘導警備 | 道路交通法関連の知識、人または車両の誘導方法、誘導棒や旗を使った合図の方法、誘導時の安全確保などを学びます。 |
雑踏警備 | イベントやお祭りでの雑踏整理、事故発生時にとるべき措置などを学びます。 |
警備業務には施設警備や交通誘導・雑踏警備といった種類があり、業務別教育では各警備業務に関する知識を学びます。
先でも述べたように、警備業務の経験や資格がない一般警備員は、基本教育と業務別教育を合わせて、新任教育全体で合計20時間以上の研修が必須です。
現任教育とは
現任教育は、すでに警備員として働いている人が定期的に受ける研修です。新任教育と同様に、基本教育と業務別教育があり、会社によってはこれらの他に独自の研修を設けているところもあります。
教育内容を平たく言うと、下記のとおりです。
知識・技能の再確認 | 警備のプロとして常に高い能力を維持するため、定期的に知識と技能を復習します。 |
法令改正への対応 | 法律の改正や新しい技術など、警備業界の最新動向を学びます。 |
実務能力の向上 | 実際の現場で役立つ、より実践的な技術やノウハウを身につけます。 |
現任教育は、1年に1回、10時間以上行うことが法律で定められています(※警備業務の経験や資格がない一般警備員の場合)。この継続的な研修によって、警備員は常に質の高いサービスを提供できるプロフェッショナルであり続けることが期待されているのです。
なお、資格や経験の有無により、法定研修(新任教育・現任教育)が免除・時間短縮されるケースもあります。
警視庁のホームページに記載があるので、気になる方は確認してみてください。
参照:警視庁「警備員に対する教育時間」
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法定研修にはメリットがある
法定研修は警備業法で義務づけられていますが、それは単なる義務ではありません。むしろ、これから警備員として働く人にとってメリットがあります。
事前に警備員の仕事内容を把握できる
法定研修は、入社前に警備の仕事内容や役割について深く理解できる貴重な機会です。研修では、警備業法といった法律知識から、実務に必要な護身術や救護措置まで、幅広い内容を学びます。
これにより、実際に現場に出る前に「どんな仕事をするのか」「何に気をつけなければならないのか」を具体的に把握でき、仕事に対するイメージと現実のギャップを埋めることができます。
警備員としての土台が培われる
法定研修は、警備員としてのキャリアをスタートさせる上で欠かせない土台となります。法律や規則を理解し、適切な行動規範を身につけることで、プロフェッショナルとしての自覚が芽生えます。
また、基本教育で学ぶ護身術や救護措置、業務別教育で学ぶ専門的な技術は、現場での自信につながり、安心して仕事に取り組むための基盤となります。
法定研修をしっかりと受けることが、長期的に活躍できる警備員になるための第一歩になるでしょう。
警備員の法定研修を受ける際に知っておくべき7つのポイント
警備員を目指すなら、法定研修を受ける前に以下でご紹介するポイントを押さえておきましょう。
1.法定研修中も給与が発生する
法定研修は警備員として働く上で必須の業務と見なされるため、研修を受けている時間も給与が発生します。給与形態や金額は会社によって異なりますが、研修中の給料がきちんと支払われる点は、求職者にとって安心材料となるでしょう。
2.服装にはある程度の自由が認められている
法定研修中の服装については、明確な決まりがない会社が多い傾向にあります。しかし、座学だけでなく実技も行うため、動きやすい服装が推奨されます。具体的には、ストレッチ性のあるパンツ、履き慣れたスニーカーなどが適しています。
あまりに派手な服装や他人に不快感を与えるような服装は避けたほうが賢明です。「給与が発生している=仕事」だという意識を持ち、TPOに合わせた服装を心がけましょう。
3.法定研修は土日も含めて実施される
法定研修は通常、平日に集中して行われることが多いですが、土曜日や日曜日も研修日に設定されることがあります。これは、多くの警備会社が24時間365日稼働しているためです。研修日程は会社によって異なるため、面接時などに事前に確認しておくと良いでしょう。
4.法定研修で学ぶことは資格取得に役立つ
法定研修で学ぶ内容は、警備の仕事に必要な基本的な知識です。この知識は、警備の資格を取得する際の土台となります。
警備の資格とは
警備の資格はさまざまで、警備業務別に1級と2級の国家資格が設けられています。これらの資格を取得すると、担当できる仕事の幅が広がり、資格手当によって給与がアップするなどのメリットがあります。
法定研修で学ぶ警備業法や法令の知識、実技は、これらの資格試験の学習範囲と重なる部分が多いため、資格取得を考えている方にとって役立ちます。
警備の資格については、下記でも詳しくご紹介しています。ぜひ、合わせてご覧ください。
施設警備1級とは?試験内容や合格基準、担当する現場について解説
5.警備業務の経験者は法定研修の一部が免除されることもある
過去に警備員として働いていた経験がある場合や、警備業務検定などの資格を所持している場合は、法定研修の一部が免除されることがあります。研修前に申請を行う必要があるため、免除の条件なども合わせて事前に手続き方法を調べておくと安心です。
6.座学と実技をバランス良く組み合わせて学ぶことが大切
法定研修は、法律や規則を学ぶ「座学」と、護身術や誘導方法を学ぶ「実技」で構成されており、どちらも警備員として働く上で不可欠な要素です。座学で得た知識を実技で実践し、実技で感じた疑問を座学で解決するなど、バランス良く学ぶことで、より効率的にスキルを身につけることができます。
7.法定研修が終わった後も継続的に学ぶ必要がある
先でも述べたように、警備員は1年に1回、10時間以上の現任教育を受けることが法律で義務づけられています。これは、常に最新の知識や技術を身につけ、プロフェッショナルとしての質を保つためです。法定研修(新任教育)は警備員としてのスタート地点であり、その後も継続的な学習が必要であることを覚えておきましょう。
警備のMTでは、働いたその日に給与の受け取りが可能です。法定研修中も給与が発生する他、日払いにも対応しているため、経済的に不安がある方も安心です。警備業界に興味のある方は、ぜひ下記をチェックしてみてください。
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まとめ
法定研修は、警備員として働くために必ず受けなくてはなりません。この研修によって、警備業法などの法律知識から、護身術や救護措置といった実務スキルまで、仕事に必要な基礎を体系的に学ぶことができます。
法定研修は、研修中も給与が支払われたり資格取得に役立ったりと、受講者にとって多くのメリットがあります。研修を終えた後も、現任教育という形で継続的な学習ができ、これにより常に高いプロ意識を保ち、長く安心して働けるキャリアを築くことができます。
こうした法定研修により未経験者でも安心して働けるため、警備業界に興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。
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