焦らずできる?人命救助 ~救命入門コース受講編①~
はじめに
【前回の記事】の続きとして、今回は心肺蘇生についてです。
私はよくサーフィンをしに海へ行き、ロッククライミングをしに山へ行きます。
そんな中、毎年のように溺れたり、滑落したりして亡くなってしまう方のニュースが伝えられます。
たまたま居合わせた人たちに正しい知識があれば救えた命もあったかもしれません。
仕事中でも、遊びに行った先でも、万が一の事態に備えて救命講習を受けてきました。
そして、その知識を少しでも多くの人にお伝えできればと思います。
救命入門コース 90分
名古屋市昭和区の昭和消防署4階『応急手当研修センター』にて、成人に対する心肺蘇生法、AEDの取り扱い方法等を無料で学べます!
今回は少人数だったこともあり、1人1セットづつ訓練用人形とAEDを準備して頂けました。
ここからは学んできた内容を簡単に共有していきたいと思います。
救命の連鎖
ただ命を繋ぐだけでなく、『社会復帰をさせるために必要となる一連の行い』のこと。
- 1.心停止の予防・・・水難事故、脳卒中、心筋梗塞、熱中症、ヒートショックなど、熱中症やヒートショックは、若くても健康でも起こりえることなので注意しましょう!
- 2.早い通報・・・「119」
- 3.早い応急手当・・・現場に居合わせた人たちによる胸骨圧迫とAED
- 4.早い救命処置・・・救急隊による処置
この4つの輪を途切れることなく、素早くつなげることで救命効果は高まります。
社会復帰率
ご存じですか?脳が酸素無しで生きられる時間は、わずか3~4分と言われています。
脳死にならないようどれだけの処置ができるかが重要になります。
私が住んでいる地域(名古屋市)では、通報から救急車到着まで平均7.3分。
そのため、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による、適切な救命処置が、傷病者の社会復帰を大きく左右するのです。
救急車の到着を待つ間、バイスタンダーが傷病者に対し、すぐに心肺蘇生(胸骨圧迫)を始めると、救命率が2~3倍増すのです。
ここからは今回の講習で驚いたポイントベスト3を発表!
第3位:電気ショックを行った場合の1か月後の社会復帰率
下記のグラフを見てください!
救急隊員の到着を待つよりも、知識も経験も浅い一般市民が救命処置を行うことで、社会復帰率は2倍以上、増加します!
この数字を見た時は、全国国民が講習を受け万が一の時に備えるべきだと思いました。
第2位:AEDだけでは救えない!?
一般的に心停止は、心臓が小刻みに震える状態(心室細動)によることが多く、その際心臓の動きを戻すには、電気ショックを与え心室細動を止める必要があります。
それができるのがAEDです。
私は全くの無知だったため、AEDさえあれば止まった心臓が動き出すと思っていました。
実際は、心臓マッサージ(胸骨圧迫)とAEDを正しい手順で途切れることなく行うことにより救命の可能性が増加するそうです。
AEDはふたを開けただけで電源が入るタイプのものが多く、取り扱いは音声ガイダンスが流れるので、その指示通り操作を行えば作動します。操作自体は簡単ですが慌てずにできるかどうか肝ですね。
第1位:5cm!!
なんの数字かといいますと…
胸骨圧迫=心臓マッサージの強さです。
単3電池の長さ、免許証など一般的なカードの短辺など約5cmです。
その高さ分圧迫するのです。思っていたより力と体力が必要でした。
胸の厚みの約1/3も押し込むので胸骨は折れないのか心配になるほどでした。
それを1分間に絶え間なく100回~120回 意識が戻るまで行うので、とても一人で行える作業ではないと思いました。居合わせた場合は、協力し合いましょうね。
心臓マッサージのリズムやテンポが重要で「アンパンマンのマーチ」が適した速さだそうです!
まとめ
90分とは思えないほどたくさんの知識と体験をさせていただき、とても充実した講習でした。昭和消防署のご担当者様ありがとうございました!
勇気をもって行動を起こし、通報や応急手当をすることで私にも救える命があるのだと気づきました。
これからの季節は朝晩の気温差も大きく、外で働くことの多い警備員には様々なリスクがあると思います。その時に周りの仲間で協力し合って救命活動をおこなって頂けたらいいなと思います。
ですが、実際に練習してみないことには自信につながらないと思いますので、ぜひ皆さんも一度講習を受けてみてはいかがでしょうか?