セキュリティ通信

警備業のコロナ対策について

はじめに

昨年から猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症により、私たちの日常生活や社会は変化を余儀なくされました。
感染拡大防止のための新しい生活様式が提唱され、各業界は感染防止対策に取り組んでいます。
それは警備業界も同じです。
今回は警備業界における新型コロナウイルスの影響や、感染防止対策への取り組みについて取り上げます。

新型コロナウイルス2021年の状況

新型コロナウイルスの国内での感染者が発生したのは昨年2020年1月16日のことでした。
それから感染は拡大し、2020年4月16日には1回目の緊急事態宣言が発令し、5月25日には全国で解除されました。

 

2度目の緊急事態宣言は今年2021年1月7日、東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県に出され、1月13日には大阪・兵庫・京都の関西3府県、愛知と岐阜の東海2県、それに福岡、栃木を合わせて7府県にも拡大されました。
2月28日には首都圏を除く6府県で解除され、3月21日には首都圏でも解除されました。
そして、3度目となる緊急事態宣言が4月25日に東京・大阪・兵庫・京都の4都道府県に、5月12日には愛知と福岡に、5月14日には北海道・岡山・広島に、5月23日には沖縄にも緊急事態宣言が出され、6月20日まで決定しています。

 

一方でワクチン接種も医療従事者を始めとして順次開始しており、徐々に状況が変化しつつあります。

新型コロナウイルスで警備業はどんな影響を受けたか

新型コロナウイルスにより、日常生活はもとより様々な業種の仕事が多大な影響を受けました。
警備業界も例外ではなく、施設警備ではイベントの中止、テーマパークの休業、商業施設の短縮営業などといった規模縮小の影響により、配置ポスト数の削減から警備業務の受注が減少する傾向にありました。
休業または廃業となる店舗・企業の増加もあり、警備契約の中断・解約や警備料金の値下げなどの影響も考えられます。
他にも空港警備の現場では、空港の利用客減少に伴う警備員配置の見直しなどもあったようです。

 

一方で、道路工事や工事現場といった、生活に直結するインフラ整備の現場はたとえ緊急事態宣言下であっても中止されることは少なく、交通誘導警備の現場はあまり減少することはありませんでした。

新型コロナの影響により厳しい状況にはありつつも、依然として警備業界の需要は高く、警備員の仕事がなくなることはありません。

警備業界での新型コロナウイルス対策への取り組み

警備業界の新型コロナウイルス対策として、全国警備協会から「警備業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」が出されています。
どの業務にも共通する基本的な対策から、各警備業務に対しての感染予防策が具体的に記されており、状況の変化によってその都度改定されています。

 

基本の対策として、出勤前に体温を計り健康管理をすること、公共交通機関を利用する場合は可能な限り時差勤務を実施し、マスクを正しく着用すること、可能な限り徒歩や自転車または自動車による通勤で感染予防に努めること、始業時や休憩後に手洗いを徹底することなどを挙げています。
また、朝礼や警備員教育は小グループで行うこと、休憩室を利用する人数を調整すること、飲食の時間をずらすといった工夫で3つの蜜を避けることを推奨しています。

(参考:一般社団法人 全国警備協会 http://www.ajssa.or.jp/wp-content/uploads/2021/02/ccc822bfcafd76ae0d1075c40b02c9391.pdf)

コロナ禍での熱中症対策

新型コロナ対策としてマスクを着用することが定着しましたが、暑さが増してくる時期になると熱中症のリスクが高くなります。
先ほどの「警備業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」でも、夏場のマスク着用により熱中症のリスクが高くなる恐れがあるため、屋外で2メートル以上の距離が確保できる場合にはマスクを外すようにすること、契約先関係者にも理解を求めることが記載されています。

 

マスクを着用中は口の渇きを感じにくくなるため水分補給が不十分になり、気がつかないうちに脱水状態になる危険性があります。
特に屋外で働くことの多い業務の場合、通常以上に熱中症に気をつける必要が出てきます。
のどが渇いていなくても10分~15分に1回、一口か二口の水分を補給することや、塩タブレットなどで塩分を補給すること、可能な限り日陰で休み、外せる状況であればマスクを外して休憩することなどを意識して行い、熱中症に注意しましょう。

 

また、コロナ禍の必須アイテムであるマスクにも工夫の余地があります。
夏用の冷感タイプや息のしやすさを宣伝しているマスクを利用する、ひんやり冷たい感覚が得られる冷感タイプのマスクスプレーを使うといった工夫でマスク必須の夏を乗り切りましょう。

まとめ

警備員は、新型コロナ対策としてテレワークしたり営業規模を短縮したりするのは難しい、人々の生活基盤の安定のために必要なエッセンシャルワーカーです。
工事があれば現場で警備し、スーパーやオフィスビルでは防犯業務を行います。人が直接、現場で働く仕事だからこそ、いっそう感染防止を徹底して皆さまの安全を守る警備に努めて参ります。